痛みと思考
ヒント
ストレスや不安が痛みに影響を及ぼすことがあります
このエピソードでは、否定的な思考やストレスの多い生活環境がどのように痛みに影響するのかを学びます。孤独、抑うつ、不安といった感情には、慢性的な痛みとの関連がよくみられます。瞑想法、リラクゼーション法、注意転換法などの方策が、痛みを軽減する方法として非常に多くの人に用いられ、成功を収めています。時間をかけてこれらの手法を練習すれば、痛みを軽減することに役立ちます。
ビデオを見たら、「私のヘルスプラン」に記入して、かかりつけの医師に相談し、あなたの医療チームを構築して始めましょう!
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- Chronic Pain Management Strategies - PDF File 537.9 KB
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- The Nature and Science of Pain - PDF File 483.6 KB
- What to do about it in less than five minutes? - Vimeo (Hunter New England Local Health District)
- Pain Management TAG - PDF File 70.6 KB
- Understanding Pain in other languages and subtitles (Hunter New England Local Health District)
- Explaining Chronic MSK pain - PDF File 703.8 KB
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- Neuroplasticity - YouTube (Sentis)
- Pain Physiology (Chronic Pain Australia)
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- Depression (Beyondblue)
- Fact sheets (Black Dog Institute)
- Coping with Depression (Western Australia Department of Health)
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- What is anxiety? (BeyondBlue)
- Overcoming Health Anxiety (Western Australian Department of Health)
- Black Dog Institute - Health Professional Resources (Black Dog Institute)
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- beyondblue - depresion and anxeity (beyondblue)
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- Black Dog Institute - Health Professional Resources (Black Dog Institute)
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- Mental Health Association NSW (mentalhealth.asn.au)
- Find mental health resources and information (mindhealthconnect)
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- Self Help (thiswayup.org.au)
- CBT self-help programmes (getselfhelp.co.uk)
- eCentreClinic (eCentreClinic)
- Pain Course (eCentreClinic)
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- Psychological Therapies (NPS MedicineWise)
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- Chronic Pain and Medication - PDF File 428.7 KB
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- Pain and CAM Therapy - PDF File 259.2 KB
- Chronic Pain and Complementary Health Approaches: What You Need To Know (National Center for Complementary and Alternative Medicine)
- A-Z of complementary medicine (mydr.com.au)
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- Lifestyle and depression (NPS MedicineWise)
- Healthy eating and depression (NHS)
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- Thinking (Chronic Pain Australia)
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- Pain and Sleep - PDF File 638.5 KB
- Good sleep habits (NPS MedicineWise)
- Options for Pain Related Sleep Problems (Australian Pain Management Association)
- How to Sleep Better: Tips for Getting a Good Night’s Sleep (sleep.org.au)
- The sleep cycle (NPS MedicineWise)
- Sleep Quality Index (nps.org.au)
- Sleep diary (NPS MedicineWise)
- Consumer Information (Australasian Sleep Association)
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- Relaxation - PDF File 516.9 KB
- Relaxation Techniques for Health: An Introduction (nih.gov)
- Relaxation Techniques: Learn About Relaxation Strategies (innerhealthstudio.com)
- Relax (Chronic Pain Australia)
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- Imagery - PDF File 513.2 KB
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- Slow Focused Breathing - PDF File 405.0 KB
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- Progressive Muscle Relaxation - PDF File 408.6 KB
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- Mindfulness - PDF File 396.2 KB
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- Antidepressants: not just for depression (Australian Prescriber)
- Antidepressant Medicines (mydr.com.au)
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- Standard Drinks Guide - PDF File 327.0 KB
- Alcohol consumption calculator (dva.gov.au)
- Drink driving - Get the facts (DrinkWise Australia)
- drug info @ your library (State Library of New South Wales)
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- Standard Drinks Guide - PDF File 327.0 KB
- Alcohol consumption calculator (dva.gov.au)
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- QuitNow Website (quitnow.gov.au)
- Quitting Smoking (NSW Health)
- Multilingual Quitline (NSW Health)
Transcript: 痛みと思考
痛みが続き、何をしても効果がないように思えてくると、とてもイライラするかもしれません。
そうなった理由を理解することは患者さんには難しいことです。
「どこか痛いところがあれば病院に行き、何か薬をもらえば痛みは消える。」そう信じるように私たちは育てられてきました。
そして、その通りにならないと、色々なことを試してみますが、次第に不安を感じ始めます。
そして、時々医者は・・「どうしようもありません。痛みに慣れてもらうしかありません。」・・と言います。
問題は、具体的な対処法を教えてもらえないということです。
そうして患者さんたちは様々なことを試しますが、結局、いったん慢性化した痛みには、完治させる方法は本当にないのです。
それは受け入れ難いことです。
痛みとともに生きていくことは誰にとっても困難です。
ですから、あなたが失望したり意気消沈したりするのは当然のことです。それでも、あなたは痛みと向き合わなければなりません。
痛みが治らないのは現実であり、気のせいなどではありません。
それが現実なのです。
私はあらゆることで落ち込みました。
その理由は、痛みをコントロールできなかったことだけではありません。大好きだった仕事を辞めなければならないことでも落ち込みました。
思うように外出できなくなったことにも落胆しました。
過食になり落胆し、太ったことでさらに落胆しました。
敬虔なシスターとして期待に応えようとしても応えられない自分に、また落ち込みました。
好きだったことができなくなったことでも落ち込みました。
本当の自分が失われていくようで、落ち込みました。
いずれも本当に深刻な問題です。
一つだけでも大変なのに、慢性的な痛みをもつ人は、しばしばこれらすべてを経験します。
喜ばしいことに、できることは実はたくさんあります。
ですが、残念ながら魔法のような方法はありません。
私たちの力で痛みを取り除くことができればと心から思っていますが、正直なところ、現時点では必ずそうできるとは言えません。
そのかわりに、何千もの人々で試してきた方策をお教えすることができます。
もしそれらを実践すれば、痛みの対処に役立つことが分かっています。それらの技法は、痛みを取り除くわけではありませんが、痛みを和らげ、日常生活を送りやすくする助けになります。
つまり、もっと楽に有意義な生活を送ることができます。
このことは喘息や糖尿病のような慢性疾患にも全く同じように当てはまります。
これらの病気にも、完治させる 薬や治療法はありません。使用できる薬はありますが、ほかにも多くのことをしなければならないのです。
私たちがよく用い、患者さんにお教えしている最も有用な自己管理法は、「自分で心を落ちつかせる手法」や「リラクゼーション」、「瞑想」などです。
また、よくない思考パターンを認識して、変えようとすることです。
それは単に前向きな考え方をするということだけではありません。
問題ばかりに気を取られるのではなく、自分のできることに目を向けるということです。そして、痛みを悪化させる「活動」を変更したり、「ペース配分」を調整したりすることも可能です。
そうすることで、痛みをあまり悪化させずに物事が行えるようになります。
睡眠に関する対策もあります。
眠り方を見つめなおすのです。そうすれば、できることがたくさんあることに気付くでしょう。
生活全体が変わります。
それは、単に痛みを感じるか感じないかという問題ではなく…むしろ内面的な問題で、自分自身のことをどう感じているかです。
自分に何を取り入れるか、そして自分の体のことをどう思っているかということです。
体が痛みに支配されているとき、あなたはどのように感じますか。きっと、自分には何もできないと思ってしまうでしょう。
でも、効果的な方法を用いるなら、痛みを抑え、今度は自分が生活をコントロールできるようになります。
そうすれば、うまくいきます。もう一つの問題は、他の人々との接し方です。
彼らは、あなたの心や 痛みについて何もわかってません。
それを伝えられるのはあなただけです。
でも困ったことに、痛みをわかってもらおうとすることは、悪循環、いえ、 両刃の剣となることがあります。
痛みについて長々と話すことで相手をうんざりさせたくはないですが、一方で痛みがあるといくからの制限が生じることは知っていてもらいたいです。
ですから、自分の痛みについて上手に人に伝える方法を身に付けることが、特に身近な人に対して大切です。
もちろん、ひどい痛みがあるときに新しい技術を学ぶことは容易ではなく、大変な努力が求められます。
それでも、それが現実なのです。しかし、辛抱強く続けるなら、大きな進歩を遂げることができます。
さて、自分にどんな技術が必要かという点ですが、考えがつかないのであれば、医師に相談するか、痛みについて詳しい心理士を紹介してもらうとよいでしょう。
理学療法士が大きな力になってくれることもあります。
自分のプログラムを作成するために、助けが必要になるかもしれません。
しかし、実践するのはあなた自身です。
医師も、理学療法士も、心理士も、あなたに代わって実践することはきません。
これは「セルフマネジメント 」と呼んでいます。
痛みを抱えている本人が行う必要があるからです。ネガティブな思考を頭から追い出す方法と聞くと、簡単そうに思えます。
しかし、ネガティブな思考があまりにも多く、恐ろしい痛みが襲い掛かり、色々なことでいっぱいいっぱいになると、すべてが絶望的に思え、自分が無力に感じ、もう限界だと考えてしまいます。
以前はできていたことが、今後は一体どうすればやっていけるだろうかと。
しかし、精神科医や心理士は、こうした状況を切り抜ける手助けをしてくれますし、自分は決して無力ではないと確信させてくれます。
目的ははっきりしているのですから、今までと違ったやり方を学べばいいのです。
あなたがとても落ち込んでいて、心配になって、それについてかかりつけの医師に相談するとしたら、医師は抗うつ薬を勧めるかもしれません。
うつ病が原因で痛みが引き起こされているということではありませんが、うつ病は痛みを複雑にし、そうすると痛みの管理が難しくなります。
そのような状況では、カウンセリングを受けるだけでなく、薬を処方してもらうのが適切です。
この二つは相互に作用するため、組み合わせることで非常に有効となる可能性があります。
すべての人に薬が必要というわけではありませんが、いずれにせよ、かかりつけの医師と相談することが重要です。
カウンセリングと同じように、薬はむやみに続けるのではなく、定期的にかかりつけの医師とともに見直しを行うことが大切です。
そして、薬を使用することで達成したい目標を明確に定める必要があります。
カウンセリングと違い、抗うつ薬はいつまでも続けるべきではなく、達成したい具体的なゴールを決めて、一定の期間内で使用するべきです。
もちろん、その期限は現実的なものであるべきです。
こうした事柄をかかりつけの医師と相談するなら、この組合せ がとても効果的であることに気付くでしょう。
さらに、心理士や理学療法士に計画に加わってもらうこともできます。
そうすれば、確実に最良の結果が得られるでしょう。
私はずっと車の運転が好きでした。
17歳の誕生日に免許を取り、その二日後に車を買いました。
1957年頃のことでしたが、それ以来ずっと車を運転してきました。しかしそれは…事故で大腿骨を骨折して、足が動かなくなってしまうまでのことでした。
そして、惨めな気持ちになりました。 足が悪いからとか、ほかにも色々な理由をつけて、自分は運転ができないと思っていたからです。ですが、ふと「少し運転してみよう」と思いました。
これもまた、大きな変化でした。
やってみればいいのです。
「私にはできない」なんて言わずに、「できないわけがない。私は免許を持ったドライバーで、有効な運転免許証があるのだから。」と言いましょう。
それで、私は車の運転席に座りました。
自転車で転んだとしても、また乗って走り出せるのと同じで、私もまた車を運転できるはずだと考えました。もう二度と運転はできないという思い込みから、運転できるという気持ちに変わった瞬間でした。
大切なのは、何かを始めるとき、「私にはできる。できない理由などない」と考えることです。
あなたもやってみてください。本当によい気分になりますよ。
そして、よい気分になると、つまり自分の状態や自分が達成したことに対して満足感をもてるようになると、痛みは大したことではなくなります 。
痛みが気にならなくなるのです。
落胆していて、「痛い、痛い、痛い」という思いで頭がいっぱいになったとき、「これは嫌だ、あれも嫌だ」とネガティブになって怒っているとき、痛みは大きくなります。
しかし、その状況に対して前向きな見方をするとどうでしょうか。
例えば、「いい天気だな」など、何でもいいのです。
何か積極的なことを自分の生活に取り入れるのです。「庭の畑に新芽が出てきた」とか。
そうすることで、本当に気分がよくなり、そこからよい循環が生まれます。
一つだけではないのです。
よいことは続き、痛みは和らぎます。
自分の周りのあらゆるものと戦おうとして、自分自身や自分の痛みと戦おうとして張り詰めさせた気持ちを、緩めることができます。
前向きになり、適切なことをし、楽しいことを考えるようにするのです。
それでは、「私のヘルスプラン」の中の「思考と感情」の項目に記入しましょう。
まだダウンロードされていない場合は、映像画面の下にある私のヘルスプランのリンクからPDFファイルをダウンロードし、印刷してください。
それぞれのビデオを見終わったら、適切な項目に書き込んでください。
一度記入していただくだけで結構です。
記入したヘルスプランは、かかりつけの医師や医療従事者の診察を受ける際にお持ちください。
痛みを管理するうえで、素晴らしいスタートポイントとなるでしょう。