慢性的な痛みのある若い人の痛みを治療する方法はたくさんあります。
薬は数ある道具の1つでしかありません。
薬は人によって非常に役立つこともあれば、まったく効果がないこともあります。
私たちは、薬が役立つ状況とそうでない状況を見極め、どのように使っていくかをよく考える必要があります。
しかし、薬よりも実際に役立つこと、長期的に役立つことについても考えなければなりません。
これから長い人生を生きる若い人にとって、薬は長期的には優れた解決策ではないからです。
だから別のやり方を選ぶ必要があるのです。
薬を使うこともありますが、より幅広いアプローチが必要です。
それは、若い人が自分の力で素晴らしい想像力を活かし、脳が新しいことを学べるようになるアプローチです。
痛みをコントロールするための非常に重要で強力なツールとして脳を利用することにより、痛みがあってもそれまでとは違う考え方や感じ方をするようにして、痛みを管理しながら、できることや楽しめることを増やしていくのです。
私たちは知っています・・・痛みは、考えていることや感じていること、それに痛みの信号が入ってきたときに周りで起きていたことから影響を受けることを・・。
素晴らしいことに、私たちは思考や感情、脳の力を使って、痛みの体験そのものをコントロールして変えることができるのです。
これは偶然ではなく、必然的にそうなっているのです。
あらゆることが痛みに影響を与えますが、この脳の驚くべき柔軟さを活かせば、逆に痛みの感じ方に影響を及ぼすことができるのです。
これは「神経可塑性」と言い、「神経」とは脳のことで、脳は、 柔軟に 変化できるという意味です。
まだまだ学習することができるのです。
脳が適応して変化することで、痛みの管理をより上手にできるようになります。
痛みについて、特にあなたが感じている痛みについて理解を深めれば、痛みはあなたの体にとって恐ろしいものではないことがわかるでしょう。
痛みを重要な警報と考えず、意識し過ぎないようにし、それに 集中しないように・・・こだわらないようにするのが よいのです。
脳を使って別のことを考えるようにして、痛みの感じ方を変えることもできます。
痛みが体に対する危険信号ではなく、何も悪いことは起こらないとわかれば、怖い気持ちも少なくなる可能性があります。
恐怖感を小さくすることができるのです。
そして、やるべきことや楽しいことがもっとできるようになり、幸せを感じることも増え、それまでの憂うつな気分もなくなっていきます。
脳を訓練しなおすという考え方やその仕組みについて専門医の先生に詳しく説明してもらえて、本当によかったと思います。
理学療法士の先生と専門医の先生と僕自身が協力すれば何ができるようになるかについて、
僕は考え方が変わりました。脳を訓練しなおして、痛みを感じる配線を変えてやれば、やがて痛みは自分が許容できるレベルまで弱くなっていき、最後にはすっかりなくなってしまうんです。