これ洗った?さっと洗うわね。
私にとっていちばん大切なのは、夫のジェドと人生を歩み、楽しんで生活できるということです。
どんどん外に出かけ、怪我をする前から楽しんできた活動も続けたいですし、新しい楽しみも探したいです。痛みにしばられ、生活を支配されたくありません。
夫と一緒にやりたいことを自由にできることが、私にはいちばん大切なのです。
私はもともと体を動かすのが大好きで、仕事でも体力が必要な職についていました。
定期的にランニングをし、サイクリングやジムでのトレーニングもしていましたし、とにかく体を動かすことが好きでした。
それが突然、どれもできなくなってしまいました。
怪我をした当時、これからどうなっていくのか・・初めて気づいたときには、本当に途方に暮れました。運動することは、私と夫の生活の大切な一部でしたから。
脊髄損傷科のサポートは素晴らしいものでした。レクリエーション担当の方が、どんなレクリエーションの選択肢があるのか、どんな器具や設備が使用できるのか、野外で体験できるあらゆるレクリエーション活動について教えてくれました。
私は段階的に目標を設定しなければなりませんでした。最初は家の中を車いすで動けるようになることでした。
かっこ悪く聞こえてしまいますが、筋力を取り戻すため、自分で車いすをこいで家の中を移動することから始めました。そして次は庭仕事でした。頑張りすぎると痛みがとてつもなくひどくなるので、取り組み方にも段階的な調整が必要でした。
どのくらいまで頑張ってよいのか、かなり慎重にならなければなりませんでした。
車いすでできることに限界はありません。ただ、やり方について見方を変えようという心持ちが必要です。
私は夫とカヤックを購入し、友人たちと一緒にこの辺り一帯の海岸沿いの水路でカヤッキングをしています。ありのままの自然が広がり、ただ美しいの一言です。
まるで、またハイキングができるようになったようで、私は信じられないくらい解放的な気分になりました。
自然に囲まれて、車いすにも乗っていない私は、皆と対等でした。
カヤックに乗ってパドルを握れば、私は障害から解放されるのです
それから、チェアスキーでまたスキーができるようになりました。3年前に始めたのですが、練習はとてもエキサイティングで、今ではスキーが大好きになりました。
ちゃんと見ているかい?よし、いいぞ。
怪我を負ってから始めたスポーツはスキーが最初だったのですが、当時の私は性格上、外に出たら1分でも無駄にしたくないと思っていました。
それでスキーを始めた最初の年には痛みがかなりひどくなり、ものすごい痛みを経験したこともありました。それから、合間に休憩をはさめばよいのだと気づきました。
1時間ごとに中断して、チェアから降りて、5分間休憩すればよいのです。
休憩を入れるようになってからは、痛みの出方が大きく変わりました
この経験は、他の活動にも通じる学習の機会となりました。つまり、ペースを守るということです。
これは本当にとても大切なことです。
見てごらん!すごい!
初めは、急に活動的になったせいで痛みが強くなったのだと思いました。
でも、痛みは神経障害性のものではなく、筋骨格系の痛みでした。
休憩をきちんととってさえいれば、実際に痛みは治まりますし、痛みのフレアアップが起きる間隔が長くなったようにも思えました。そして活動的であればあるほど、そうした傾向は強くなるように感じています。
ここバーマグイに引っ越してきて、本当によかったと思っています。家を改修して、夫と二人である程度やっていけるようにしました。
ジェドも私も、庭仕事をします。それぞれの持ち場があり、ジェドは私ができない仕事をします。
痛みと庭仕事のバランスをとることを覚えるのに、少し時間がかかりました。私はもともと、今日やると決めた仕事があれば、全て今日中に早く片付けてしまいたいと思ってしまう性格なものですから。
でも庭仕事については、一歩下がって「よし、今日できる分だけをしよう」というふうに考えなければなりませんでした。
そして痛みが強くなりすぎたら、休まないといけません。
これは私にとってとても難しいことでした。
ブルドーザーのようにどんどん仕事を片づけるタイプの性格を変えるということですから。
なんて素敵なトマトなの…
私は幸運にも、優秀な作業療法士の方に来てもらって、自宅の改修を手伝ってもらえました。
夫のジェドもまた、庭の花壇の高さを変えるなど、バリアフリーな環境を作るための仕事をかなり手伝ってくれました。
彼らのおかげで、この菜園を私でも働くことのできる場所に変えることができました。
私はスクーターと庭用の別の車いすを使うことで、菜園内を移動できるようになりました。また、好きなように動き回れるように、私のニーズに合わせて敷地内の設備を整えました。
生活を自分でコントロールでき、自由に動くことができますので、農夫にもなれそうです。
設備や器具に加えた改修のおかげで、私はどこにでも自由にアクセスできるようになりました。考えてみると、常に何かしら設備や器具の置き場所を変えたり、調整したりして、私たち特有のニーズに合わせて手を加えています。
スクーターは最高です。果樹園まで自分で移動して仕事をすることができますし、ジェドの庭仕事を手伝うこともできます。でも何よりすごいのは、車いすをスクーターの前に乗せて運べるということです。
私は目的地でスクーターを降りて、車いすに乗り換えて移動できるのです。
例えば、ベリーが旬の時期には、これがとても便利です。
スクーターを運転していって、そこで収穫したベリーを積み、運転して帰ってベリーを冷凍庫にしまえます。スクーターのおかげで、いろんなことが便利になりました。
以前は、スクーターで移動する距離を手動の車いすで移動していました。それだけ車いすをこぐと、肩が痛くなります。
菜園内をあちこち移動するには、スクーターの方がはるかに現実的な手段です。
何が大切かというと、運動とストレッチを習慣的に行うことだと分かりました。
車いすの生活では上半身を酷使するので、運動とストレッチを続けることは本当に大切です。
私は毎日、筋力を鍛える運動と、それとは別にストレッチ運動もしています。
それから最近、アメリカに行ったときヨガをやってみたのですが、とても楽しかったので、これから本格的に始めようと思っています。
ストレッチとしても良いでしょうから。
ストレッチは本当に大切です。痛みのコントロールにも重要です。
私は何か困難にぶつかったときには、乗り越える方法を探します。困難には打ち勝つのです。
今では困難も大歓迎ですよ。
生きていればたくさんの困難にぶつかります。だから、このような心意気が必要だと思います。
困難と向き合い、乗り越えようという気持ちを持つことです。