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2018-12-07

Topic No.111
変形性指関節症に対する夜間副子固定は疼痛と変形を軽減させる

Night-time immobilization of the distal interphalangeal joint reduces pain and extension deformity in hand osteoarthritis.
Watt FE. et al. Rheumatology (Oxford). 2014 Feb 8.

要約

背景/目的:
DIP関節(俗称:手指の第一関節)の変形性関節症(別名:Heberden 結節)は一般的な疾患である。そして、保存的治療として副子固定は良く行われる。しかし、その保存的治療の効果についての詳細な報告はないので、今回調査した。

方法:
レントゲン上変形性変化があり、症状を有するDIP 関節26指を対象とし、夜間のみの副子固定群(3か月間)と、経過観察群との比較を行った。
変形性関節症(DIP関節)の外観・ 使用した夜間副子・変形性関節症(DIP関節)のレントゲン

結果:
○ 夜間副子は、3ヶ月後の疼痛を改善し、6ヶ月後も効果は持続していた。
○ DIP関節の伸展不足角度が軽減していた。

コメント

DIP関節(俗称:手指の第一関節)の変形性関節症(別名:Heberden 結節)は日常良く遭遇する疾患であり、患者は疼痛と変形を主訴に来院する。手術が行われることもあるが、適応となる患者は多くない。以前より、多くの患者に対して副子固定による治療は行われてきた。しかし、その効果についての詳細な報告は無かった。今回の結果から、副子固定による治療は有効な治療手段である事が証明された。また、本論文の副子固定は夜間だけ行われている点がユニークである。指先の副子や装具は日常生活上、邪魔になることもあり、患者のコンプライアンスは決して高くない。そのため、夜間の副子固定は、患者のコンプライアンスを高めることができると思われる。 日常よく行われている診療行為の効果についての検証は、非常に有意義である。

ホームページ担当委員:園畑 素樹