2018-12-03
Topic No.79慢性疼痛患者のヘルスリテラシーと薬物療法の知識について
Pain awareness and medication knowledge: A health literacy evaluation
Devraj R, et al. J Pain Palliative Care Pharmacotherapy 2013; 27: 19-27
要約
はじめに:
ヘルスリテラシー(HL)は\\\\\\\\\\\\\\\”生活習慣と生活状況の改善を通じて、個人やコミュニティの健康改善ができるよう、主体的に行動するための知識・生活上の技術、技能・自信の成熟度\\\\\\\\\\\\\\\”と定義される。HLの低下は健康状態の悪化を直接的に意味する。
方法:
○ Family physicianに通院中の慢性疼痛患者139人を対象とし、健康に関連した数的概念も評価できるNewest Vital Sign(NVS)を用いてHLを調査し、4点をカットオフ値としてHLが高い/低いの2群の分類した。
○ 痛みについての知識と薬物療法についての知識を調査し、2群を比較した。
結果:
○ 56.1%の患者のHLが低下していた。
○ HLの高低によって痛みについての知識は大きな差が無かったが、薬物療法の知識は複数の項目で有意差が得られた。
コメント
○ 慢性疼痛は慢性疾患の一つであり、適切なHLが必要であると考えられる。
○ HLが低い患者では薬物療法についての知識は乏しく、知識が無いことを自覚できている。この結果からは、低HL患者は痛みについても誤った知識であるにも関わらず適切に知識を持っていると自己評価している可能性も考えられる。
○ HLの高低によって慢性疼痛の発症率や管理、予後に差があるかは今後の検討課題である。
ホームページ担当委員:住谷 昌彦