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2018-11-30

Topic No.52
腰痛とインターロイキン1遺伝子多型の関連について

Possible association of interleukin 1 gene locus polymorphisms with low back pain.
Solovieva S et al. Pain Vol 109. 8-19, 2004

 

要約

インターロイキン1遺伝子多型が腰痛の発生、痛みを感じる日数、生活制限の日数に関連する(フィンランド)。

方法:
131人の中年男性被検者(重機運転手、大工、事務)を対象として検討を実施。過去12か月の生活様式、腰痛の有無、痛みを感じる日数、痛みによる生活制限の日数を調査。MRIにて腰椎の変性所見の有無を評価。
末梢血からDNAを採取し、インターロイキン1遺伝子多型を調べ、上記の痛みとの関連を検討した。

結果:
○IL-1RNA1812アレルを有する者に腰痛の危険率が高い(オッズ比2.5、95%信頼区間1.0-6.0)。
○上のアレルとIL-1αT889またはIL-1βT3954アレルの組み合わせを有すると腰痛が持続する日数が多くなる。
○IL-1αT889とIL-1RNA1812アレルをともに有する者は、痛みの程度が強い(オッズ比3.7、95%信頼区間1.2-11.9)。
○多変量解析ではIL-1RNA1812アレルが腰痛の有無、腰痛が持続する日数、痛みによる生活制限の日数と関連性を示した。
○以上よりインターロイキン1遺伝子多型が腰痛と関連する可能性がある。

コメント

腰痛が、炎症の程度に影響を与える遺伝子多型と関連するという趣旨の論文。 サンプルサイズが小さく決定的なことは言えないが、痛がりの人は遺伝子的に決まっている可能性がある?

ホームページ担当委員:川口 善治