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2018-11-30

Topic No.57
高齢女性は独り身の方が元気?

Living arrangements, social integration, and change in functional health status.
Michael YL, et al. Am J Epidemiol. 2001 Jan 15;153(2):123-31.

 

要約

60~72歳の高齢女性(看護師)に対する疫学調査で、配偶者の有無により4年後の体力やメンタルに差がでるかを前向きに調査した報告(アメリカ)。

方法:
対象は女性28324人、平均年齢は65.3歳。
評価方法はSF-36の3つのサブスケール、「身体機能」、「活力」、「心の健康」ほか。

結果:
一人暮らしの女性は、配偶者と生活している女性に比べ、喫煙習慣と合併症を持つ可能性が高いが、「活力」と「心の健康」が低下するリスクは低かった。
また女性の一人暮らしは、不健康となる危険を増加するものではなく、むしろ配偶者のいる女性よりも活力にあふれ心も健康に生活しているという実態が明らかとなった。
また社会的な結びつきにおいても、一人暮らしでも配偶者がいる女性と同等であり、一人暮らし女性が社会的孤立と同義ではないことがこの大規模コホート研究で示された。

コメント

我々が尾張旭市で行った慢性痛の疫学調査では、一人暮らしの人々は二人暮らしの人々より慢性痛の有訴率が優位に高く、抑うつ傾向も強かった。ほかにも一人暮らしや離婚者は筋骨格系の慢性痛有訴率が高いというスウェーデンからの報告がある。 本研究の結果が看護師という専門職特有の傾向であるか、米国の社会的特徴であるかについてはさらなる調査が必要と思われる。

ホームページ担当委員:井上 真輔