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2018-12-10

Topic No.142
人工股関節全置換術後は女性も男性と同等の成績を獲得できる

Women Demonstrate More Pain and Worse Function Before THA but Comparable Results 12 Months After Surgery
Mannion AF. et al Clin Orthop Relat Res. 2015 Jul 30. [Epub ahead of print]

要約

目的:
人工股関節置換術(THA)後の成績を左右する因子は多く、その中には性別が成績を左右するという報告もある。女性のほうが、疼痛に対する閾値が低いためだとされており、その理由として、女性の社会的な立場といった問題や、女性ホルモンの影響といった生物学的な因子があげられている。今回、THAの術前後の臨床成績を男女で比較した。

対象/方法:
人工股関節置換術(THA)を行われ、データがそろった261名(女性129名、男性132名)を対象とした。臨床評価は患者立脚型評価(PROMs: patient-reported outcome measures)として, OHS(Oxford Hip Score), WOMAC(The Western Ontario and McMaster Universities Osteoarthritis Index)を使用した。

結果:
術前のOHS/WOMACは、女性が有意に低い(悪い)値であった。しかし、術後は男女差を認めなかった。患者の社会的背景のベースラインを適合化して多変量解析を行ったが、未適合化での結果と同様に、術前は女性の成績が悪いが(table 5)、術後は男女差を認めなかった(table 6)。

コメント

人工股関節全置換術(THA)は、ADL/QOLの改善に非常に効果的な治療法である。しかし、すべての患者が等しく良好な成績を得られるわけではない。術後成績不良のリスクファクターは様々報告されているが、女性の成績が男性よりも劣るという報告もある。本論文では社会的な背景も含め、詳細な検討がなされており、結果として術前の状態は女性が悪いが、術後1年では男女差がないというものであった。考察中に書かれているが、国の違いや変形の程度の違いなどが評価されていない点がlimitationである。本邦の変形性股関節症の男女比は、1:5~10と圧倒的に女性が多いため、術者としては多少なりとも安堵する結果である。しかし、本邦の変形性股関節症の原因の多くは発育性股関節形成不全であり、男女比も含め、諸外国とは患者背景が異なる部分も多い。本邦でのデータが待たれる。

ホームページ担当委員:園畑 素樹