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2018-11-30

Topic No.53
坐骨神経痛を有する腰椎椎間板疾患とインターロイキン6遺伝子多型の関連について

Genetic variations in IL6 associate with intervertebral disc disease characterized by sciatica.
Noponen-Hietala N, et al. Pain. 2005 Mar;114(1-2):186-94.

 

要約

インターロイキン6遺伝子多型が、坐骨神経痛を有する腰椎椎間板疾患と関連する(フィンランド)。

方法:
155人の腰椎椎間板疾患による坐骨神経痛を有する患者と179人の健常者を対象として検討を実施。
サイトカインに関わる遺伝子(IL1A、IL1B、IL6、TNFA)を候補として、患者と健常者でSNP(一塩基遺伝子多型)を用いて連鎖解析を施行した。

結果:
○IL6のSNPで、exon 5に存在するT15Aにおいて2群間で差が見られた。
○AAとATのSNPを持っている頻度が、患者群で有意に高かった。
○IL6のSNPのハプロタイプを検討したところ、GGGAの型が患者群でより多かった。
○GGGA/GGGAまたはGGGA/他のSNPを持つとオッズ比が5.4倍になった。

コメント

これら2つの論文(No.52,53)は、サイトカインに関連する遺伝子が痛みと関連する可能性を示したものである。このことは、腰痛や下肢痛を引き起こしやすい体質があることを意味する。また痛がりの人は遺伝子学的に決まっている可能性があるのかもしれない。 もしこのことが事実とすれば、社会的な反響が大きいであろう。 一方、このような遺伝子と痛みに関わる知見は、患者の特質に合わせた治療法(ある特定の薬の選択など)を遺伝子学的に決める根拠になるなど、オーダーメイドの治療につながる可能性を示唆する。これらの論文が発端となって、痛みと末梢における神経障害性疼痛や炎症性疼痛を調節する遺伝子、カテコールアミンの代謝酵素を調整する遺伝子、オピオイド代謝に関連する遺伝子などの関連を示す研究が盛んに行われるようになっている。 (川口善治:腰痛と遺伝子.第8章腰痛関連因子(1)腰痛と遺伝子. 特集腰痛のサイエンス.脊椎脊髄ジャーナル25,pp430-438,2012)

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