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2018-12-07

Topic No.119
変形性膝関節症患者の疼痛に対する筋力増強訓練と有酸素運動の効果の比較

Efficacy of strengthening or aerobic exercise on pain relief in people with knee osteoarthritis: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.
Tanaka R et al. Clin Rehabil. 2013 Dec;27(12):1059-71.

要約

背景/目的:
変形性膝関節症に対する運動療法に対する報告は多数あり、筋力増強訓練、有酸素運動など、どれも効果的だという報告が多い。しかし、どの運動がどのような症状に有効であるかについての報告は無い。今回、変形性膝関節症患者の疼痛に筋力増強訓練と有酸素運動のいずれが有効であるかを調査した。

対象/方法:
Systematic review と RCTのmeta-analysisを対象に研究を行った。サブグループとして、筋力増強訓練を、荷重筋力増強訓練と非荷重筋力増強訓練に分け、以下の3グループで変形性膝関節症の疼痛に対する効果を調査した。
① 非荷重筋力増強訓練
② 荷重筋力増強訓練
③ 有酸素運動

結果:
○ 3グループともに、変形性膝関節症の疼痛に対して有効であった。
○ 非荷重筋力増強訓練が最も優れていた。

コメント

変形性膝関節症に対する運動療法の有効性を示した報告は多数あり、各国の治療ガイドラインにおいても、運動療法は高い推奨度となっている。しかしながら、多くのガイドラインで、運動の種類での効果の差は不明であるとされている。さらに、有効性の判定基準に統一性がないのが問題であった。本論文は、変形性膝関節症の疼痛に対する運動療法の有効性を、Systematic review と RCTのmeta-analysisを対象に研究を行い、一定の結論を得ている。今後、このような研究の蓄積により、変形性膝関節症に対する運動療法のストラテジーが確立されることを期待する。

ホームページ担当委員:園畑 素樹