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2018-11-26

Topic No.19
短時間のセルフエクササイズの継続によって頚肩部痛が改善する

Effectiveness of small daily amounts of progressive resistance training for frequent neck/shoulder pain: Randomised controlled trial.
Lars L, et al. Pain. 2011 Feb;152(2):440-6.

要約

1日2分間の肩関節外転筋セルフエクササイズを10週間継続することで頚肩部痛が改善し、その改善効果は1日のセルフエクササイズの時間を12分間とした場合と同様であった。

方法:
198名の被験者(女性174名,男性24名)を1日2分間・週5回のセルフエクササイズを行う群(2分間群)、1日12分間・週5回のセルフエクササイズを行う群(12分間群)、週1回健康に関する情報を与えられる群(コントロール群)の3群にランダムに割り付け、10週間の介入効果を調べた。
アウトカムは自覚的な頚肩部痛の強さ,頚肩部の筋の硬さ,肩関節外転筋の等尺性筋力とした。
セルフエクササイズはゴムチューブを用いた肩関節外転筋群のトレーニングで、段階的にゴムチューブによる抵抗の強さを増やすように設定した。コントロール群は週に一度、電子メールにて運動やストレスマネジメント、喫煙や飲酒などといった総合的な健康に関する情報が送られた。

結果/考察:
2分間群および12分間群は、10週間の介入後にコントロール群と比較して、有意に頚肩部痛の強さ、頚肩部の筋の硬さが軽減され、肩関節外転筋の等尺性筋力が向上した。
また、2分間群と12分間群の間にはいずれのアウトカムにおいても有意な差がなかった。
毎日2分間のセルフエクササイズを行うことで臨床的に妥当といえる頚肩部痛の改善効果が得られることが示された。

コメント

毎日のセルフエクササイズが頚肩部痛の改善につながり、しかもセルフエクササイズの時間はわずか2分間で十分であると報告した論文。 運動が疼痛の軽減に有効であることについては科学的あるいは直感的にわかっていても、実際に毎日継続したり・させたりするのは困難なことが多い。困難である理由のひとつに「時間がない」ことも挙げられるが、1日わずか2分間であればどんなに忙しい人でも実施可能な時間であるように思える。疼痛軽減を目的として運動を指導する際には、1日あたりの実施時間は短時間であるが、適切な負荷量で、より継続可能なプログラムとなるように工夫しなければならない。

ホームページ担当委員:下 和弘