最近はだいたい毎日、7日間のうち5日間くらいはよく眠れるようになったと思います。以前は週に一晩あるかないかでした。眠れない夜は一晩中悶々として歩き回り、リビングで座ってみたり、
マッサージチェアを手に入れて、真夜中に起きて、それに座ってみたりもしました。
夜によく眠れるようにするために、できることは何でもするべきです。日中に体を休めることも可能かもしれませんが、疲れを取ってエネルギーを補充し、翌日に備えるのは睡眠中なのです。
慢性痛がある人にとって、さらに睡眠障害という問題まで抱えるのは避けたいことです。
睡眠障害に取り組むことはとても重要です。(なぜなら、)睡眠障害に対処できれば、痛みの問題もかなり軽減するからです。
睡眠不足だと翌日に痛みがひどくなることがあり、痛みがひどくなると眠りの質が悪くなるという悪循環が生まれます。そしてついには、睡眠のリズムが昼夜逆転してしまう患者さんもいます。
どうしようもない状況に陥ってしまうのです。睡眠に問題が生じるのは、驚くようなことではありません。痛みがあればなかなか眠れないものですし、もちろん不安や気にかかっていることがあれば、
睡眠は妨げられ、なかなか寝付けません。眠りにつくために何かを服用してみるかもしれませんが、これは必ずしも問題の解決策にはなりません。また睡眠障害には、うつ病の発症が関係している場合があります。不眠症はうつ病の症状の一つでもあるからです。これも、考慮すべき点の一つです。
眠りにつくことが一種の戦いのようになり、毎晩ベッドに入ったとき「今夜は眠れるだろうか、やっぱり眠れないだろうか」と考えるようになります。そして、今夜も眠れないだろうと思い込むようになってしまうと、本当に眠れなくなってしまいます。
私にとって非常に難しかったのは、夜眠ることでした。夜眠れないと、すべてのエネルギーが奪われてしまいます。眠れないとずっと考え事をしてしまいます。すべてが静まりかえっている中で、一晩中寝付けないのはとても消耗します。そんなことはもう経験したくありません。
睡眠を改善するためにできることはたくさんあります。それは「睡眠衛生」という考え方で、よい睡眠を促すために、いくつかの基本的なルールを守ろうというものです。
これだけで毎晩よく眠れるようになると保証はできませんが、その可能性は高まります。寝室をオフィスや娯楽施設のようにしないことが大切です。そういった物は、どこか別の部屋に移しましょう。そうやってベッドを睡眠と関連づけることで、ベッドに入ったときに、ここは寝る場所なのだと自然に思うようになります
そして、毎晩だいたい同じ時間にベッドに入り、毎朝同じ時間に起きるということもとても大事です。規則正しくするためにアラーム付きの時計が必要になるでしょう。そして、毎晩だいたい同じ時刻に眠りにつき、毎朝同じ時刻に起きることもとても大切です。このように規則正しい生活を送るためには、目覚まし時計が必要になるかもしれません。
就寝前にたくさん食べてはいけません。また、夜にたくさんのお酒を飲んだり、
コーヒーを飲んだりしないでください。(なぜなら、)どちらも刺激作用があるため、眠気を覚ましてしまうからです。
痛みがある人であれば、心配事をたくさん抱えるのは無理のないことですが、その場合、ベッドに入る前にそれらに対処するための方法を見つけておくことが大切です。
運動も効果的です。慢性的な痛みをもつ人で問題になることの一つに、いろいろな活動をやめてしまい、活発でなくなるということがあります。毎日の定期的な運動は、睡眠を促すために重要です。もちろん夜遅くではなく、日中に適度な運動を行えば、体が少し疲れることで、眠りにつきやすくなります。
ですので、自分が行うべき運動のレベルを大まかに考えることが重要です。
また、寝室自体についても考えましょう。暑すぎたり寒すぎたりしませんか。換気はされているでしょうか。部屋の空気にちょっとした流れがあると、眠つきやすくなります。
もし寝室が騒がしいとか、一緒に寝る人のいびきが大きいといった場合は、対策を考える必要があります。
耳栓を買う必要があるかもしれません。
このような比較的簡単にできることを実践することで、睡眠はずいぶん改善されるでしょう。
私が学んだことの一つに注意転換法があります。よい方向に気を紛らわせ、痛みを忘れる方法です。私がやってとても効果があったことは二つあって、その一つは愛犬のポピーを飼うことでした。
ポピーは大きな助けになってくれています。私が起きていれば、ポピーも起きてくれているので、眠れない夜はとても助かっています。リラックスさせてくれますし、とてもリラックスさせてくれ、呼吸も落ち着いてきます。こうしたことを通して、自分の外に目を向けられるようになったことは、私にとって非常に大きな変化となりました。
眠れないときに役立ったもう一つのことは、オーディオブックを聞くことでした。オーディオブックを購入して、様々な物語を聞きながら、ただじっとして暗い中で休むようにしました。そうすると、体も休まる一方で、オーディオブックが頭を休ませてくれます。痛みのことや、眠れないことを考えなくて済むようになるのです。眠れない夜にしてしまう最悪なことは、眠れないことついて考えることです。それほどつらいことはありません。今では、オーディオブックの話がどこまで進んだかわからなくなることがよくあります。それは、自分の心と体が、この方法に慣れてきたということだと思います。完全に物語に集中して、そのまま眠りに落ちるようになったということです。
ときどき、目が覚めるとオーディオブックが終わっていて、どこまで話を聞いていたのか戻って探さなければならないこともあります。
夜ベッドに入るときはいつも仰向けになるのですが、そうすると足先がまっすぐ上に突き出た状態になります。私は右の足首の関節が固定されているため、「親指」が腫れてしまったような、突き出た状態になるのです。そして、シーツと毛布に押さえつけられるので、
痛いです。仰向けになるだけで痛いのです。それでも鎮痛剤などは使わず、そういうときはiPhoneをいじるようにしています。
それは、気を紛らわせてくれます。
気が紛れると、不快感や痛みを感じなくなります。
逆に気が紛れないと、痛みに気が向いてしまいます。要するに、気が紛れていれば、まだ痛みがあったとしても認識されなくなるので、脳からしてみれば、痛みが消えたも同然なのです。
このような方法で悪戦苦闘されている方や、試してみてもどうしても効果がみられない方は、かかりつけの医師(GP)に相談することで、よいアイディアが見つかるかもしれません。それだけでなく、臨床心理士にも診てもらったもうがよいかもしれません。そうすれば、問題をもっと掘り下げて考え、どこがうまくいっていないのかを突き止め、もっとよい方法を考え出すことができます。
例えば、不安に対処する方法です。自分ではどうしようもなくなるまで放っておいて、夜遅くになって、どうにかしようとする人もいますが、
それはよくありません。自分の問題解決の方法を見直すためにも、心理士に診てもらうのがよいでしょう。
同じように、リラクゼーション法や瞑想といった方法を学ぶこともできます。それらには少し訓練が必要ですので、専門家の指導を受けましょう。また、真夜中に起きてしまって、どうしても寝付けないときにどうすればよいか学ぶこともできます。そのようなとき、どうしますか。そのまま横になっていますか、それとも起きたほうがよいでしょうか。これについては、その道の専門家に相談することが役に立ちます。とにかく「痛みがあるのだから、夜眠れないのは仕方がない」とあきらめてはいけません。
適切なサポートがあれば改善できる問題なのです。
ときどき、痛みがいつもより強かったり、日中にいろんなことがありすぎて、ベッドに入っても、なかなか眠りにつけないことがあります。そういうときはマインドフルネスという方法で脳のスイッチを切ることを試みています。ネガティブな思考を全部葉っぱに乗せて川に流すようなイメージで、頭を空っぽにするのです。そうするとリラックスできるようになります。
私は途中で目が覚めても、もう一度眠りにつけるのですが、問題は最初にベッドに入ってからです。特に痛みのせいでイライラしているときは、なかなかリラックスできません。そういうときは、ゆったりとするようにし、マインドフルネスと深呼吸を始め、その日に考えたことすべてを、頭から追い出そうとします。それは、脳のスイッチを切るのと同じくらい難しいのですがリラックスして、心の落ち着きを取り戻すためには必要なことなのです。
慢性的な痛みをもつ患者さんから、補完代替医療が安眠に役立つかどうか質問されることがよくあります。これはもっともな質問だと思います。
効果があったという人もいれば、そうでない人もいます。
効果を実感されているのであれば、採用してよいと思います。ただし原則として、医師からお薬を処方されているのであれば、ほかに使用しているものを医師に伝えておくことが重要です。もし医師がそのことを知らずに薬を処方すると、「自然の治療法」と呼ばれるものと処方された薬の間で、有害な相互作用が起きたり、副作用が生じたりする可能性があるからです。
ですので、利用している補完代替医療を医師に伝えておくことは、とても重要なことです。
長年の習慣を変えることは大変ですが、それは誰しも同じで・・ですが、コツコツと続けると変化に気付くようになります。本当に良くなっていきます。そのためには辛抱強く続けることが大事です。
それでは、私のヘルスプランの中の「睡眠」の項目に記入しましょう。
Iまだダウンロードされていない場合は、映像画面の下にある「私のヘルスプラン」のリンクからPDFファイルをダウンロードし、
印刷してください。
それぞれのビデオを見終わったら、適切な項目に書き込んでください。
一度記入していただくだけで結構です。
記入したヘルスプランは、かかりつけの医師や医療従事者の診察を受ける際にお持ちください。
痛みを管理するうえで、素晴らしいスタートポイントとなるでしょう。